• あいじえん

〈野の花、そして空の烏だって〉

「烏のことを考えてみなさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、納屋も倉も持たない。だが、神は烏を養ってくださる。」 (ルカ福音書12章24節)


「烏のことを考えてみなさい」です。鳥でなく“烏=カラス”なのです。

 水曜日の愛児園礼拝で「もし、お空の上をカラスが飛んでるのを見つけたら?」と訊ねると、「何かブキミ~」と答が返ってきました。おそらく聖書の時代もほぼ同様で、カラスはちょっと嫌われものだったようです。そこでイエスさまは、「あのカラスだって、神さまに養われている。ましてや、あなたたちはそのカラスよりも価値ある存在なのですよ」と弟子たちに語ったわけです。

礼拝で、♬僕らはみんな生きている~、…ミミズだってオケラだってアメンボだって~♫と歌いました。「カラスはもちろんミミズも、そして最近よく出くわす“ムカデ”だって、神さまはいのちを養っておられます」とお話ししました。

 ところで教会礼拝堂前の通路沿いは、7月上旬までアガパンサスの花が満開でした。アガパンサスの語源は、ギリシャ語のアガペー(愛)とアントス(花)の組み合わさった言葉です。聖書の中の愛は、神の愛を表す「アガペー」と兄弟愛を表す「フィリア」とを区別しています。神の愛のアガペーは、無価値なものをも愛し抜く愛のこと。私たちがアガペーの愛を身に着けること、つまり自分にとって価値あるものと見なせないものを愛することは、何と難しいことか…。人を自分の都合で分け隔てしてしまう心が露わにされたような時、何ともむなしい気持ちに襲われるものです。

 そんな時は、ぜひ思い出しましょう、アガペーの愛のことを。神様はどんな命をも分け隔てなく愛し養ってくださいます。あの人のことをも、そしてダメで情けなく(大人失格だな~)と思えてしまうこの“わたし”をも、神様は愛し受け入れてくださいます。

 大人も子どももこのアガペーの愛を感じながら生きてゆけたなら、きっと穏やかな気持ちに包まれる時間が与えられることでしょう。


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